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本のムシ 浅田次郎 [本のムシ]

今日...あ、日付変わったから昨日の驚いた事
夕刊配達のお兄さん、半袖のTシャツで原付に乗ってた

ブルーな事 >子どもの冬服を追加で出したら悉く「要らない!ナイナイ!」と押入れに突っ込まれた...これで服着せ騒動がまたもや勃発する事確定 

さて今回は映画化されたこともあって浅田次郎さん。
「椿山~」は大分前に読んだのですが、他の2冊は最近です。

『地下鉄(メトロ)に乗って』1994年 第16回(1995年)吉川英治文学新人賞受賞作品。
ある夜永田町の地下鉄の階段を上ると、そこには30年前の1964年(昭和39年)の風景が広がっていた。オリンピックに沸く昭和39年の東京で在りし日の兄を発見する。
というタイムスリップを題材にしたファンタジックな人間ドラマ
堤真一、岡本綾主演で映画化されます。公開間近だったはず。

主人公は父親との確執を持ち、過去の兄の自殺を父のせいと思い、反発することで自身の存在を定義している感じ。そしてタイムスリップし、兄の自殺を止めたはずなのに現実は変わらず、逆に恋人(不倫相手)と共に徐々にさらに遠い過去へと行き来し、若かりし父と知らずに係わり合い、生き様を目撃する。
何ともいえない焦燥感と、憎んでいるのに惹かれてやまない父の生き方、タイムスリップの話はありますが過去を知らずに垣間見て、苦しむというのはあまりないような...。
さすがと言える伏線ですが、失う事でしか得られない真実を突きつける最後は、重苦しいように感じました。
歯切れの良いエンディングを期待すべきではないのかもしれませんが、失った対価として得た物が明確に見えて欲しかったな~。
映画化では過去の再現と、主人公の感情表現がどうされるのか興味あります。

『椿山課長の七日間』2006年
働き盛りの46歳で突然死した椿山和昭は、家族に別れを告げるために、
美女の肉体を借りて七日間だけ“現世”に舞い戻った!

なぜか近代化されてるあの世。ボタン一つで懺悔が出来てしまったりと、正直冒頭のあの世シーンだけでも面白い。
そしてオヤジ→美女になり、自分の罪の確認と家族への別れが無事に出来るのか?
コミカルに書かれながらも、あの世の方が人間らしく、現世の方が本音をかくして自分を殺して生きてる感じがするのは何故だろう?
現実世界の話は世知辛いを通り越しそうな、悲しみや裏切りが満ち溢れてる。
それを温かく書ける作者には流石としか言いようがない。発想もさることながら。それに寄って必死になる主人公がとても人間らしく印象に残ります。
これも映画化されるそうですが、メトロより見てみたい作品です。

『沙高樓綺譚』2005年
各界の名士たちが集う「沙高楼」。世の高みに登りつめた人々が、女装の主人の元、今夜も秘密を語り始める...。

5つの話からなるこの小説。名士達が本来ならば墓場にまで持っていくはずだった物語。
含みがあったり、時代的にワタシからすると想像しても足りない部分があるので、堪能できたとは言えませんが、人の秘密はこうもあるものか、と思わずにいられません。
全ての話が全くの別ジャンルという事を考えれば、作者の幅が広いのには唸らされます。
撮影所の話は「壬生義士伝」にでも出てきそうな侍が出たり、ヤクザの話では...と、どこかしら他の作品の連想になりそうな感じも。


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horigon

おはようございます。
浅田次郎さんの作品は一度も拝見したことが無いのですが、ちあこさんの説明から、ジャンルは違っても作者の空想の世界の願望を現実の文章に落としたような印象を受けます。
いずれにしても、最近日本映画の秀作が数多く作られているようで、作者原作の映画も楽しめそうですね。
by horigon (2006-11-17 07:49) 

yuki

椿山課長の七日間は映画化されるって聞いて
初めて存在を知ったの。
面白そうだなって思ってたからチャンスがあれば
読んでみるよ~!
by yuki (2006-11-17 14:08) 

ちあこ

horigonさん>プリズンホテルとかはまだ詠んだことがないんですが、なかなか人間の温かみがあるように感じます。邦画も最近は原作があるものが増えてますから、読むキッカケになるかもしれませんね。
いつも有難うございます。

ゆきちゃん>確か主演は西田敏行だったかな?設定から考えると歳が上過ぎる気もするが(働き盛りのハズ)でも芸達者な西田さんで、きっといい味でると思うわ。
見てみたいけどな~
by ちあこ (2006-11-17 21:02) 

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